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雑記

140字じゃ書ききれないこと。 (@tkkr_g)

映画『バクマン。』感想

バクマン。』見てきました。
私は原作も(立ち読みで)全部読んだし、ジャンプっ子です。一言で言うと愛に溢れてました。面白いところを言語化しやすく語りやすい、わかりやすく面白い作品でした。キャストもストーリーも演出も、イイね!って感じ。

 

 

 基本的に原作愛に溢れていて忠実だが、映画オリジナルとして、サイコー(佐藤健)達が書いている漫画が今後を暗示するものになっているのが面白かった。
 「ずっと待ってる」のコマを見たシーンで「亜豆(小松菜奈)だ!!」と思わせておいて、その後に「先に行く」というコマが出てきて不吉さを出す。そしてほんとうに亜豆がそのシーンを実現させてしまう。
 亜豆をモデルにしたヒロインを出して、この子の中の人を亜豆がやるんだろうと普通は思う。しかし、「アニメ化」の夢を通り越して、「現実化」してしまったっていう構造が悲劇をより盛り上げる。でもエンドロールの最後を「待ってる」のコマで締めたのは、綺麗な思い出か今後の暗示か。なんて深読みもしたい。だってサイコーと亜豆には一緒に笑っててほしいから。


 他にも言えることはたくさんあるけど、個人的にアツかった点を1つだけ。自分語りになるのは好きではないが、これだけは伝えたい。色んなジャンプ作品の絵やネタが作中に散りばめられていること、ジャンプ愛である。
 『ボボボーボ・ボーボボ』が表紙のジャンプに川口太郎の急逝のお知らせが載るというのは、ギャグの王者と敗者の対比だろう。エンドロールの実在するコミックスの背表紙にスタッフの名前が書かれているのも良い。DVDとかでゆっくり見たくなるし、私もここに載りたい(そういうコラ画像作るか)。その中で服部(山田孝之)の机周りには『ドラえもん』(小学館)グッズがあるのがまた彼の異質さを表現できていて良い。
 しかし、例えば『PSYREN』『P2!』のように知る人ぞ知る、ファンもいるけど人知れず打ち切りになった漫画は見えてこない。これらは私が大好きで珍しくコミックスを全巻揃えるような漫画である。私が好きでコミックスを集める漫画はジャンプで打ち切られやすいのだ。さすがジャンプ、それでこそジャンプ。そんな呪いを持った私に好かれたにも関わらず、人気を持って続いている漫画がある。『ワールドトリガー』だ。そんなワートリが、なんと往年の偉大な漫画たちが並ぶジャンプの歴史紹介のシーンの最後に入っていたのだ。これだけで嬉しい。ジャンプが今一番期待している漫画はワートリなのだ(演出上)。そういう夢を見させてくれただけで嬉しい。映画『バクマン。』全体のストーリーと重ねてしまって尚更ここにワートリがいることが嬉しい。ありがとう。


 プロジェクションマッピングの演出など、他にも見所はたくさんある。終わり方はまさしく『スラムダンク』である。バトルのシーン、もしかして実写『るろうに剣心』のオマージュ?
 そしてアニメ化をする際にも原作を大切にする(しすぎてつまらなくなることも多いが)ジャンプらしく、「原作も読みたい」と思わせる映画だった。しかし原作に忠実なのでなく、映画らしく作られていた。『デスノート』と共に、漫画と実写がいい関係を持っている作品のひとつだと思う。


 と、まだまだ言えることがあるくらいわかりやすい面白さであった。きっと、誰かと一緒に見に行って感想を語り合うには最適な映画だろう。