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雑記

140字じゃ書ききれないこと。 (@tkkr_g)

映画「BLOODY SHADOWS」感想

感想 批評 うたプリ

うたの☆プリンスさまっ♪』の「BLOODY SHADOWS」についての感想です。
ネタバレはもちろん、メタ的な発言もします。

 

 

【物語について】
 とりあえず、ウォーレンがなにも報われてないのが切ない。
 Twitterでも「ノーコメント」(まあ「悪い結末だった」とは言えないから)と言っていたように、愛も貫くことができずに中途半端で、友も結局は闇に堕ち、主にも反逆してしまい、他の役とは違ってひたすら不幸というか。でもその中途半端で全然格好つかないところが一番「人間らしい」と思った。レン自身の普段はカリスマ的で隙がないけどたまに見える幼さを役でも見られた感じ。『JOKER TRAP』よりもかなりいい役だったと思う(正直JTは役の魅力あんまなかったかなと個人的には思っている)。レンに対する贔屓目はあるにしても、「ウォーレン」という人物をとても好きになった。
 その「人間らしさ」は恋をしたり友情を感じたりでも表れていて、それだけでなく歌詞の割り振りやセリフ分けにも表れていると思った。最後のセリフ「だが、怖がることはない。じきに朝がくるのだから……」、曲中「憶えばいい」「愛を守れるのか?」「せめて最後だけ」「優しく抱き」「友との奏でるレクイエム」「朝を待って」「想えるから」「愛が示すまま」「祈り続けること」「暖かい光」「忘れはしない」など、他のキャラよりも人間的な言葉が多い。(作中、人間=光・愛・朝、バンパイア=闇・無感情・夜などで表象されている。)ウォーレンは誰よりも(人間であるマサフェリーよりも)、朝を愛し、光に憧れ、愛に生きている存在なのだ。
 まっすぐに愛のために躊躇なくバンパイアになれる人間のマサフェリー、なにもかも中途半端で光と闇の間で揺れ動くバンパイアのウォーレン――ふたつの意味で「人間的」な彼がどうしようもなく魅力的なのだ。
 そしてレンがインタビューで語っていたように、たしかに彼は幸せになってほしいと思った。加えてウォーレンの切なさ、そしてレンの願いも叶わない切なさ――またふたつの切なさがここには交錯しているのだ。

【メタ的に見て】
 これはJTの時にも思ったのだが、脚本p.4ページのマサフェリーのセリフにレン「ヤボな男だね」、p.8-9のレンと真斗の書き込みなどは、絶対役者としての2人ならしないと思って少し冷めてしまう。脚本家に対する文句だろこれ。
 まあしかし、本来ならありえない「キャスト3人の書き込みが一緒に書かれている脚本」なんてものは存在しない。これはファンサービス用に書かれたものなのである。もちろんキャストが実際に脚本に書いていたメモなどもあるのだろうが、それに加えて書かれたものがあることをそれこそ「ヤボ」に表してしまっている。だがファンサービスだと思って見ると、「罰ゲームに等しい」には思わず笑ってしまった。可愛い。

 結末として、3人ともバンパイアとして闇に消えていくのだが、この結末のために書かれた脚本だなあと感じてしまう部分があった。それは、アイレスがマサフェリーの提案を受け入れる時だ。うん、批判を承知で書くけれど、ここで自分が人間だった時のことを思い出して「愛」を感じたなら、アイレス死ねばいいんじゃないですか?アイレスがそこまで「生」に執着する描写がない以上、生きてるのにも飽きてるだろうし「僕が死ぬよ」ってならないんですかね私ならなります。その辺の感覚がよくわかんなくて「ご都合主義な脚本だな」って思いました。

 あと毎回思うけどこのヒロインいらなくないですか?こんな主体性のない役、演じてくれる女優はいないって某ドラマPが言ってたよ。これは乙女ゲームじゃない、映画だろ。というか乙女ゲームでも七海春歌はすごいぞ。

 メディアの話で言うと、最後の3人の独白っぽいセリフ群も映画というより、演劇的?だなと感じた。映画はその「画」でそのセリフ群を語らなきゃいけないと思うゾ、だから脚本にそのセリフ入れないと思うゾ。まあ私は演劇に馴染みがないので劇シャイでは気にならなかったが、脚本見ながらドラマCD聞いても全然「映画的」でないと感じた。「画」がなくても映画的なものなんてたくさんありそうなものだが、どうやらそこまで考えて作ってはいないらしい。激シャイと違うことは、撮影場所についてのキャストの発言があったりCGのような映像技法が使われていることくらいかなあ。そんなんじゃ映画好きに怒られそうだ。

 

といったことを1回聞いただけで考えた(から間違いなどもあるかもしれない)。
 ウォーレンと神宮寺レンに関してはすごく良かったと思う。他の2人もキャストと役の関係は良いし(まだそこまで深く考えられてないし)。エレガも最高。
 ただ、やっぱちょくちょくぶろっこりサイドの箇所が甘いというか、『Debut』の時に「シナリオがクソすぎて私の好きな書き手さんがうたプリから離れサイトを消した事件」があったように「なんだかなあ…」ってなることもあって。まあおかげで絶妙な距離感を維持できますありがとうという感想です。ここも完璧だったら私は盲目的に専属ATMになってしまうわ。

 総合的に見ると、個人的にはウォーレンが良かったので満足です。いつか神宮寺レンというアイドルについての文章を書けそうなくらい、私は彼を評価しています(偉そうだけど他の言葉が見つからなかった)。